稲フィル☆つうしんVol.16 
                              平成26年5月25日発行


音楽と自分

 小学校に入る前、リトミックを習っていました。しかし、当時(今もですが)の自分は落ち

着きがなく、練習に来てもただ走り回っているばかり。それを見かねた母がリトミックをや

める旨を先生に伝えたところ、先生は「もう少しやらせてみてください。必ず成果が出ます

から。」とおっしゃったそうです。結局リトミックはやめてしまいましたが…


 
 小学生のときにピアノを習い始め、どんどん音楽にはまっていきました。中学生になって

もピアノは続け、合唱コンクールの伴奏者も体験。いろいろな人と一緒に音楽をする楽しさ

を学んだのはこの時期だと思います。

 高校生になり吹奏楽部へ入部、このときから打楽器を始めました。最初は戸惑いの連続で

す。音階がほとんどないリズムの世界、たった1発でバンドを破壊しかねない音量と影響力…

気がつくと、ピアノが疎かになってしまうほどのめり込んでしまいました。



 大学に進学し今度は管弦楽部に入部、大学生活のほとんどをオケに費やしました。プロの

先生方の指導、交響曲の演奏、そして多くの仲間と一緒に1つの演奏会を作り上げていく達

成感など、多くの経験をしました。それらの経験は自分がこれからずっと音楽を続けていき

たい、そう思わせるには十分すぎるものでした。



 そして現在、幸運にもオケを続けられています。しかも自分がずっと育ってきた稲城のオ

ケです。大好きな音楽をしかも自分の育ってきた場所で続けることができる、これはもう頑

張らずにいられません。まだ入団してから1年も経っていませんが、改めて団員の皆さんよ

ろしくお願いします。



 最後にリトミックの先生、成果出まくりです。本当にありがとうございました。


                                     Perc NS

今、パルテノン多摩大ホールの舞台の上で思うこと

 稲城フィルの一員として舞台の上で楽器を構え、タクトが振り下ろされる瞬間を私は待っ

ている。少し緊張はしているけれど嬉しくてたまらない。



 私たち団員は技量・経験・練習可能な時間など一人一人異なるが、皆『音楽大好き人間』

である。半年間、仲間と共に精いっぱいの練習を重ねて迎えた今日、指揮者と共に心を込め

力を合わせて『私たちの音楽』を創りだそうとしている。目の前の譜面から音符を読み取り、

タクトに導かれて楽器をならす。一人一人から生まれた音がすべて合流して一つとなり、

オーケストラの音となって生まれ出て行くとき、私たちは幸せに浸る。



 私がそんな団員として舞台の上に乗っているなんて、いや、そもそも弦楽器にはとんと縁

のなかった私がビオラを弾いているなんて、本当に思いもよらなかったことである。


 
 
十数年前、私は多摩川にほど近い、緑豊かな稲城が気に入り引っ越してきた。ところが、

ついつい共に子育てをした友人たちのいる町に気持ちと足が向いてしまう。それではいけな

い、稲城での生活を充実させたい、とビオラを習い始めた。


 
 なぜ唐突にビオラだったのか。そのさらに数年前、チャイコフスキーの交響曲第5番をビ

オラパートのすぐ近くの席で聴き、その甘く優しい温かな音にすっかり魅了されたのだ。弦

楽器を大人になって始めるのは無理、とずっと思い込んでいた私だったが、他人と自分を比

べる齢ではなし、やりたいと思ったら始めてしまおう、易しい歌でも弾けるようになったら

満足と、家族たちには内緒でレッスンに通い始めた。音楽教室から借りたビオラは洋服ダン

スの中に隠した。自分の出す音にめげて途中放棄をしたら家族の手前恰好が悪いと思ったか

らだ。ところがすっかりビオラの虜になり、結局自前の楽器を買った。


 
 ある時、稲城駅近くで稲城フィルの定演のポスターが目に留まった。その時の指揮者は日

本フィル・ビオラ奏者の後藤悠仁先生だった。息子と娘が小学校の器楽クラブ在籍がきっか

けで大学オケ生活を満喫していたため、アマチュアオーケストラの楽しさは見知っており、

つねづね羨ましく思っていた。「いつかここに入れるようになりたい」と私は思い立った。

目標ができてからは、練習時間も、指導を受けに行く回数も増えた。一方では、稲城フィル

練習日である土曜夜に家を空けることができるような環境になることを待ち続けた。そして

時節到来、家族の理解と協力を得て初志貫徹。1年半前、私は晴れて稲城フィルの団員にな

ることができたのである。



 今日は舞台の上からどんな音楽が生まれ出るだろうか。私たちの音楽をつくる喜びが聴き

手のあなたに届きますように!
          
                                 
 (Vla:K・T)