稲フィル☆つうしんVol.24 
                              
平成30年11月18日発行


少しの思いきりとタイミング すべてに感謝を

  本日はお忙しい中、稲城フィルハーモニー管弦楽団の演奏会にお越し頂き、ありがとうござ
います。

  今回、この稲フィルつうしんを書かせていただきます、ヴァイオリンパートのOと申しま
す。
10年、20年と在籍している団員がたくさんいる中、平成28年に入団させて頂きました。ま
だまだ駆け出しの団員ですが、どうぞよろしくお願いします。

 今回、この稲フィルつうしんの原稿を依頼された時、「Oさんが稲フィルに入団した経緯
を書いて欲しい」と言われました。正直自分の事はとても書きにくく、おこがましく感じるの
ですが、勇気を振り絞ってご紹介します。

 私がヴァイオリンと出会ったのは、小学校に入学する少し前でした。ある時、友達がヴァイ
オリンで「山の音楽家」を披露してくれたのですが、その時(私も絶対これがやりたい!!!)とアドレナリンが体中を駆け巡ったのです。その日以来、何度も何度も、何年にも渡り、両親に「ヴァイオリンを習いたい!」と訴え続け、デパートに行く事があれば楽器売り場のヴァイオリンのショーケースにへばりついていたのですが、すでにピアノを習っていたこともあり、どうしても許してはもらえませんでした。(根負けしなかった両親もある意味すごいです。)
  その後は、中学校の吹奏楽部でクラリネットを始め、二十歳まで続けました。その間もヴァイオリンへの憧れは消えることはなかったのですが、就職して、結婚して、子供が産まれて専業主婦になってからはますます遠ざかってしまい、その時は(育児が落ち着いたら再就職して、定年退職したら習いに行こう)と思っていました。
  その考えが変わったのは下の子が入学して3年ほど経ってからでした。短時間の仕事に出始めて、少し自分の貯金が出来たからです。突然(今ならできそう!!)と思い立ち、ヴァイオリンを習いたいのと同時に、(弾けるようになったらアマオケにも入りたい!)という願いもあったので、プロのオケ在団の先生を…と探して、今の先生に出会うことができました。
  30年以上も憧れ続けた分、楽器を買って習いに通える嬉しさもひとしおで、一生懸命練習
し、先生も辛抱強く指導してくださいました。そして6~7年経った頃、先生から「そろそろアマオケに入ったら?」と言ってもらえたのでした。

  とはいえ、オケに入るといっても自信をもって入れるほど上手くもなく、どこのオケがいいのかもわからず、稲城在住だから稲フィルかな?と、たまにHPを見ても、門をたたく勇気がありませんでした。
  それからしばらくして私は職場が変わったのですが、私がヴァイオリンを習っていることが、その職場で上司となったK先生の耳に入ったそうです。その先生は音楽に造詣が深く、稲フィルとも繋がりがあり、「ヴァイオリンを弾いているなら、オケに入ったほうがいいよ。」と嬉しそうに言って、私にコンミスさんを紹介してくれました。そこからはとんとん拍子に話が進み、晴れて稲フィルに入団させて頂き、今に至ります。
 最後になりますが、このように自分のヴァイオリンの歴史を振り返ってみると、今日、このステージに立つことができるのは、少しの思い切りと、タイミングと、人との出会いや縁、それともちろん家族の協力があってこそだと思います。 そのすべてに感謝しつつ、本日は演奏させて頂きたいと思います。                        (vn C.O)