稲フィル☆つうしんVol.25 
                              
平成31年4月28日発行


放浪(さすらい)の旅の始まりに寄せて

 立川の皆様初めまして
 
今日は立川、明日は八王子、流浪のオーケストラ、稲城フィルハーモニー管弦楽団、通称稲フィルです。
 私たちは名前の通り稲城市を中心に活動するアマチュア管弦楽団です。

 年2回の演奏会をパルテノン多摩で行ってきましたが、ホールの改修工事に伴い、演奏会の開ける場所を探してこの立川の地まで参りました。
 本日の演奏会を通じて立川の皆様にも稲フィルのことを知っていただき、末永くおつきあいしていただければと思います。
 さて、当然のことですが、オーケストラで音楽を奏でようとすると楽器がないと始まりません。これが歌であれば自分自身の声、自分の身体で音楽を作り出すことができますがオーケストラではそうはいきません。
 楽器がなければ自分の思う音楽を作り出すことはできず、演奏者がいなければ楽器はただの工芸品でしかありません。
 だからこそ演奏家にとって楽器はただの道具ではなく、自分の思い、理想を紡ぎ出すかけがえのないパートナーであり、身体の一部ともいえるでしう。
 私の相棒も大学時代にバイトを重ねて購入したチェロですが、楽器屋さんに並ぶ沢山のチェロの中からその一台を決めたときのことはよく覚えています。弾いた時に感じたわずかに暗さを感じる音色や色合い、そして裏板。
 弦楽器の場合、弦を張ってある側を表板、反対側を裏板というのですが、その裏板のくびれのあたり、そのラインに何とも言えない魅力を感じたのを今でも覚えています。以来30年、弾けない時期もありましたが、長いつきあいの相棒です。
 今日の演奏会でもステージ上には色々な楽器が並びます。
 弦楽器、管楽器、打楽器、新しい楽器、年季の入った(言葉を選んでます)楽器、同じ楽器でも見た目は少しずつ違いますが、どれも使っている本人にとっては体の一部、大切なパートナーなんです。
 団員一同、その相棒とともに、放浪(さすらい)の旅の始まりである今日の演奏会に臨みます。
 多くの皆様に楽しんで、稲フィルのこと知っていただき、そして2年後、装いも新たになるパルテノン多摩にきていただけることを夢見て…
                             (vc A.K)